Mac mini Lion Server

自宅サーバの長所と短所

そろそろ話があらすじではなくて具体的なものになっていくのでその前に、自宅サーバの長所と短所を書いておこうと思います。

短所

停電に弱い
 事業所のサーバを借りている場合は、無停電電源で対策をしてあるので停電の心配はありません。お客さんに停電の心配をしてもらわなければならないようなレンタルサーバ屋さんなんて聞いたことないですし。一昔前に比べたら無停電電源もずいぶんと安くなって個人でも手が出るようになりました。が、停電というものは、停電だけが起きるとは限らず、例えば落雷だったり、電柱の倒壊だったり、電源だけが復旧してもその他のインフラがそろわないという事態は想像に難くないです。
機器の故障に弱い
 個人の自宅での機器の構成は、回線を引き込んでからのONU、ルータ、サーバマシン、どれも一つずつしかない場合がほとんどでしょう。なのでどれか一つ故障してもネット越しからはサーバがダウンしているように見えます。例えばウェブサーバを外向けにたてていて、個人の事業や仕事のために運用している場合、サイトが403などのエラーが表示されたりいつまでも反応がなかったりするとその事業や仕事そのものが廃業したように見えます。ウェブを通してしか知らないサイトのそれがなくなったら、信用を失いかねません。サーバのマシンの故障についてもレンタルサーバ屋さんは自分たちの信用のためにバックアップをとっていますが、個人で予備のマシンを常に控えさせておくというのは経済的に難しいです。
電子署名などの信用がない
 認証局から買うSSLの証明書は高額です。そのためOpenSSLなどを組み込む事になりますが、これはいわゆる「オレオレ証明書」で、先ず全てのブラウザは警告を出します。さらにトレンドマイクロなどセキュリティをチェックして回るボットにマークされます。サーバのファイル構成がどこかの解説本のそのままだったりすると0デイで狙い撃ちの的になります。HeartBleedは記憶に新しいですね。

長所

容量の融通が利く
 もう使いたいだけ使えます。予算が許せば何ギガでも何テラでも初期の投資だけで済みます。
データを失いにくい
 自宅のサーバをクラウドにして、出先では従量制でないネット環境がありさえすれば、どこでも作業ができます。ノートを持ち歩いて作業をしていてもデータは自宅サーバのクラウドとやりとりしていればノートがダンプカーに轢かれても、少なくともデータはびくともしません。USBメモリを持ち歩く必要もありません。MacをサーバにしてあればTimeMachineの機能でうっかり削除したデータも取り戻せます。
自分の力量とともに育つ
 レンタルサーバを借りた場合、自分が理解できていない機能についてはどんな設定をすべきなのかほとんどわからないまま始めてしまい、初期のgoogleアプリのように気がついたら公開になってたなんてことは自分でサーバをたてる場合はほぼないです。この点最も堅牢なのはBSD系統のOSでしょう。あれは知っていて仕込んだ分の機能だけが実装されます。次に堅牢なのはLinuxの各ディストリビューションです。これはいくつかは既に仕込まれていますが知っている人が起動させた分だけが機能します。その次に堅牢なのがMacです。これは実装したい機能をGUIで設定、操作します。知らない機能についてはおかしな事にならないようになっているかどうかを見て取れます。
 DNSサーバについて習得すれば自宅のマシン間のネットワークを組む事ができ、それは独自ドメインに発展します。SSLを習得して、ファイルサーバを外向けにたてられるようになれば、自宅サーバが我がクラウドです。メールサーバについて習得すればアットマークの左側の文字列が任意の、それも複数のアドレスを持つ事もできるし、家族にメールアカウントを発行する事もできます。SQLサーバを習得すれば高価なデータベースアプリを買う事はなくなります。

といった感じでしょうか。長くなりました。今回はこの辺りまでにします。次回から具体的な話を書いていこうと思います。