Mac mini Lion Server

サーバ構築へのあらすじ(4)

今回は、サーバとは何かとか、最低限必要なソフトウェアについて書いてみようと思います。

まずサーバとは何かを提供するものをいいます。提供を受ける側はクライアントと呼ばれます。本来クライアントとは依頼人のことなので人であるわけですが、サーバから提供された情報を人に向けて咀嚼して見せるソフトウェアを指すこともあります。メールサーバに対してメールクライアント(Mail.appやアウトルックエクスプレスなど)というのがよい例です。サーバはクライアントに何かを提供する何らかの仕組みで、多くは機械によって自動的に働いて人にとっては煩わしい手続きを黙々とこなします。誰かが四六時中張り付いて気をつけていなくてもいいように、サーバは、どんなクライアントにどんなサービスを提供するのかきちんと設定されている必要がありますよね。以前の記事に書いたパーミッションはこれの土台になるわけです。

明示的に〜サーバを使おうと操作しなくても、私たちは既にサーバを発行していることもあります。Macの「ファイル共有」などがそうです。手元のMacでファイル共有にチェックを入れるとファイルサーバが動き出し、フォルダ(ディレクトリ)と書類(ファイル)のアクセス権(パーミッション)が参照されてそれに従って他のMac(クライアント)からの要求に応えてしまうようになります。幸いなことに私たちがインターネットプロバイダから借りたルータはそのままならグローバルとローカルを区別するよう設定されているので、ファイル共有にチェックを入れただけでは地球の裏側からファイルを見られたりすることはありませんが、BitTorrentなどP2Pのアプリをよく知らないまま使えるようにする過程でルータにそれと知らずに穴をあけてしまっているということはありえます。Windowsを使っている場合はより慎重になる方がよいでしょう。なぜなら普段私たちが見て取れるWindowsのユーザーインターフェイスにはパーミッションの概念がないからです。しかし、サーバを外向き(WAN側、グローバル)にたてるには、ルータに穴はあけます。だからよくよく知っていて設定しなければなりません。

次に最低限必要なソフトウェアのお話。それはエディタです。私は「Jedit」と標準のviを使っています。ワープロソフトのように文字を編集するソフトウェアですが、PagesやMSOfficeのWordとかでは余計な機能が邪魔になって不便なので、JeditやTextWranglerなどプレーンテキストをメインに扱うためのエディタを用意します。また「ターミナル.app」の中では私は標準のviを使っています。viは慣れるまではきついものがありますが、標準なので開発環境をインストールするまでもなく使えるという利点があります。OSをインストールしたばかりでも使えるのです。それから本命の「OS X Server」ですね。MacはUNIXなので、Macとネットワークを熟知していればオープンソースの無料のものだけで同じ機能のものを実装することは不可能ではないですが茨の道です。私もかつてLinuxマシンでそれをやろうとしたことはありましたがLionになってLion Serverが数千円になった機会に買いました。他に必要なものは、あれば便利な独自ドメインです。このサイトのURLの一部、「yasumiyasumi.com」というのがドメインです。独自ドメインがあればメールサーバをたてて運用することができます。まあでもこれは毎年更新の料金が必要になるし、メールサーバは悪用されると大変なので、やるにしても後回しです。なので、必要なものは、エディタとOS X Serverの二つぐらいでしょうか。つづく。